電撃フォリントGOGO作戦

第14戦ハンガリーGPは、1992年以来33年ぶりの開催。今回の新会場バラトンパークではMotoGP初レースでした。というわけで、それにまつわるお話などを少々。
Akira Nishimura 2025.08.27
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 ハンガリーの通貨フォリントにひっかけてこういう駄洒落を言いたくなってしまい、ついタイトルにしてしまいました。すみません。

 さて、以前のハンガリーGPは1990年と92年、WGPと呼称されていた時代にハンガロリンクで開催され、優勝者はそれぞれミック・ドゥーハンとエディ・ローソン。とくに92年のレースは、カジバ初優勝ということもあって、非常に印象深いレースでした。超がつくほど年季の入ったファン諸兄姉なら、きっとよくご記憶だと思います。カジバ時代のローソンといえば、雨の鈴鹿予選で観戦した際の風景を花村萬月さんが、たしか『ブルース』(氏の初期傑作のひとつです。未読の方はぜひ)のあとがきで数行程度、軽く言及していたと思います。日本の小説家では屈指(個人的にはナンバーワンだと思いますが)のバイク乗りであることを知る前だったので、「へえ、この人GP好きなのか……」と思ったことを憶えています。

 で、ハンガリーGP。バラトンパークでのレース開催は今回が初ですが、じつはいちばん最初に開催が計画されたのは2009年でした。冬の積雪が影響して工事が終了せずに開催できなくなった、というのが表面上の理由でしたが、実際のところはいわゆる〈リーマンショック〉の世界同時不況に直撃されたためであることは誰の目にも明らかでした。翌2010年も当初のカレンダーに組み込まれていましたが、結局ここでレースが行われることはなく、予備候補地とされていたスペインのモーターランド・アラゴンで代替開催されることになりました。ちなみに、アラゴンでのレースはこのときが初めてです。

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