制御と手首の狭間にある(ない)もの
今回のオーストリアGPは、結果だけ見ればマルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)が土日連覇、といういつもと変わらないリザルトになりましたが、内容面ではいろいろと見どころも多い週末だったように思います。
ひとつは、過去のレースでじつはレッドブルリンク無勝利だったマルケスが、今年の定番結果である土日連勝というリザルトに持っていくまでのプロセスおよびスプリント・決勝の各レース運び。結果だけを見ればいつものような一方的展開なのですが、今まで勝ったことがなかったレッドブルリンクを現在のチーム体制とマシン環境で着実に攻略してゆき、結局いつもの無敵状態へ仕上げてしまう段取りが、さすがというかなんというか。この週末の積み上げ具合を見ていると、そりゃ誰もこの人(たち)には勝てるわけがないよなあ、と思わるに充分な「横綱相撲」でした。
週末を通してマルコ・ベツェッキ(Aprilia Racing)がよく健闘したことも、今回の大きな特徴でした。マルケスとある程度まで互角に対抗できたのは彼ひとりで、決勝レースで最後まで踏ん張ることができればさらに劇的だったのでしょうが、だからといってベツェッキを責めるのは酷というものでしょう。そもそも怪獣を相手に人間が競争しているようなものですからね。