Random thoughts from the antepenultimate round

ヨーロッパを離れたフライアウェイシリーズの掉尾を飾るマレーシアGPが終わりました。今回の週末の雑感めいたことなどを少々長い箇条書き風に記してみます。
Akira Nishimura 2025.10.27
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 土曜スプリントの勝者はペコ・バニャイア(Ducati Lenovo Team)。Q1から勝ち上がってQ2でポールポジション、午後のスプリントでは後続を引き離してポールトゥフィニッシュの勝利。ペコが強いときの力っぽさを見せた完勝でしたが、日曜の決勝はオープニングラップこそトップにつけたものの、2周目にアレックス・マルケス(BK8 Gresini Racing MotoGP)に前を奪われて2番手へ下がり、その後もじわじわ追い下がる展開で、中盤にマシントラブルらしき様子で一気にペースを落としたかと思うと数周後にピットインしてリタイア。パンクによるリタイアであることは本人もコメントをしていましたが、ミシュランによるとタイヤに穴が開いており、どうやらカーボンファイバーの破片を踏みぬいたために発生したのだろうということです。今季の彼はなかなかピリッとせず、ちょっとよくなったかと思うと様々な事象などが発生してまたしても低位に沈む、ということが多く、これは桂米朝言うところの「藁打ちゃ手ぇ打つ」というような状態でしょうか。

 で、独走で優勝したのはマルケス弟。2位がペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Factory Racing)で3位がジョアン・ミル(Honda HRC Castrol)。ジョアンはもてぎに続き今季2回目の表彰台で、土曜のスプリントは転倒リタイアを喫したものの、Q2ダイレクト進出で7番グリッドからのスタートであったことを考えると、今季のホンダのパフォーマンスは、一時の酸鼻を極める状況から着実に底上げを果たしつつあることが見て取れます。ただ、優勝者のマルケス弟とはレースタイムで8秒差。チームメイトのルカ・マリーニもここ数戦はシングルフィニッシュを果たしているものの、上位陣から引き離されて中段の団子の中で走行することが多い様子を見ていると、ドゥカティやKTM、アプリリアとのパフォーマンス差はやはりまだ埋めがたいものがあるようです。でもまあ、ベクトルは上を向いているようなので、もう少し長い目で本当の復活を待つことにいたしましょう。

 そういえば、今回のMotoGPクラス決勝レースでチェッカーフラッグを振ったのは、ルイス・クー(!!!)でした。ここ数年、レースを運営するDORNAは決勝レースのチェッカーフラッグ役に開催地出身のトップアスリートや人気スターを登用し、レース人気のさらなる訴求に務めているようです。そういえば、去年の日本GPでは神宮寺勇太という人が旗を振りに来て、芸能界のことをまったく知らないままTwitterでそのことを告知したのですが、レースが終わるとそのツイートがいわゆる万バズ状態になっていてびっくりしたことがありました。

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