Djäpana (Sunset Dreaming)
ラウル・フェルナンデスは2021年にチームメイトのレミー・ガードナーと激しいタイトル争いを繰り広げて、最終的には4ポイント差で惜しくもランキング2位となり、翌2022年にMotoGPへ昇格。同年に、マルコ・ベツェッキとファビオ・ディ・ジャンアントニオも最高峰へ昇格しています。2022年はチームメイトとともにKTMサテライトのTech3から参戦。23年はラズラン・ラザリがアプリリアのサテライトチームとなったことで(このあたりの込み入った事情は今回は割愛)アプリリア勢が4台体勢となり、フェルナンデスはその一角を占めることになったのでした。
このチームは24年にほぼ居抜き状態でトラックハウスが運営することになり、チームマネージャーは一時期F1にいたダビデ・ブリビオがMotoGPのパドックに戻ってきて陣頭指揮を執ることになりました。そして今年は同チーム2年目。チームには日本人選手の小椋藍が今シーズンから加わったこともあって、日本のファンにもなじみ深いカラーリングのひとつでしょう。……というような彼の経歴を振り返ると、フェルナンデスは今年が最高峰クラス4年目のシーズンで、同年に昇格したベツェッキやディッジャの活躍と比較すると、正直なところ、やや出遅れていた感は否めなかったかもしれません。
しかし、今年はフライアウェイシリーズになってこの2戦は調子がよく、前戦のインドネシアGPではフロントロー3番グリッドからスプリントで3等賞の銅メダル、決勝レースは6位で自己ベストの5位(2023年バレンシア、2025年チェコ)まであと一歩という成績でした。その勢いに乗って迎えたダウンアンダーの週末だっただけに、初日金曜日から2番手と好調で、まさに「乗れてるねー」という状態でした。ダウンアンダーといえば今回のタイトルは、オーストラリアが誇るアボリジニのバンドYothu Yindiの名曲から拝借しています。という余談はさておき、金曜日の走行を2番手タイムで終えたフェルナンデスは、こんなことを話していました。