Before the Dawn
1000cc時代最後、そしてミシュランタイヤ最終年のセパンプレシーズンテストが始まります。というか、テストライダーとルーキーが対象のシェイクダウンテストはすでに1月29日から3日間のスケジュールで行われており、MotoGPクラス全選手が参加する「公式の」プレシーズンテストは2月3~5日の3日間、という日程です。
「公式の」とわざわざカッコで括ったことには理由があって、かつて(なんて昔話ばかりしてもしようがないとは思うんですけれども)のセパンテストはあくまでもメーカーやチームのプライベートテスト、という位置づけだったので、取材の自由度はシーズン中とは違ってかなり大きく、たとえばコース沿いのサービスロードに自分のレンタカーを乗り入れて移動し、コースサイドで挙動を観察したり写真を撮ったり、ということも自由にできていました。とはいっても、誰でもコースサイドに出られるわけではもちろんなくて、年間取材者が所有している駐車パスをルームミラーなどにひっかけて識別可能にしておくことで、サービスロード出入り口のセキュリティ担当者がゲートを通過させてくれるわけですが。
コースサイドを自由に車で移動しながら、9コーナーのイン側(短い直線から続く左ショートコーナーの上り勾配)でタイヤバリア越しにライダーの挙動を観察したりしていると、けっこうライダーと目が合うことがあるんですね。素人写真を撮っていると、なかにはカメラに向かってピースサインをしてくれる選手なんかもいたりして。で、プレスルームに戻って取材メモをPCに転記したりしていると、そのライダーのチーム広報担当者がやってきて「あんたさっき9コーナーで写真撮ってた?」と訊ねてくるので、「素人写真撮ってたけど、なんで?」と訊ね返すと「うちのライダーがカメラにピースしたと言ってたんで、それを今日のプレスリリースで使わせてもらいたいんだけど」みたいな牧歌的なやりとりがあった、そんな時代です。