第4戦カタールGP・復習編
まずは来場者数。公式発表では、プレウィークエンド(木・金)10526人、土曜17230人、日曜22565人で、総計は50321人。カタールGPは昔から全カレンダー中で最も動員数が少ないグランプリで、過去には総計で1万人に届くかどうか、ということも珍しくありませんでした。そんな時代から考えると、なかなか悪くない数字です。ちなみに昨年は……と思って調べてみると、なんと週末の総計で90685人を動員していました。あの会場にそんなにたくさんの観客を収容できるかなあとも思うのですが、そう発表しているのだからそうなんでしょう。多少の水増しはあったとしても、かつてなかったほどの来場者数であることは間違いなさそうです。それと比較すると、今年は半分近くまで減っているのですが、2023年に55050人を動員したときは「(過去の実績と比較して)記録破りの大人数」と地元メディアのニュースになっていたくらいですから、2024年の動員数がいかに突出していたかということがわかります。参考までに、2022年の動員数は17972人。今後も5万人を超えるくらいで推移していくのでしょうか。もてぎもうかうかしていられませんね。
というわけで、週末総計5万人の観戦客が訪れたカタールGPの優勝はご存じのとおりマルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)。今回は序盤から後続を引き離して独走、という展開ではなく、レースが終盤にさしかかった頃に前に出て、そこから一気にぐいっと引き離してあっさり独走に持っていく、という展開でした。前戦アメリカズGPの決勝はノーポイントで終わりましたが、それを唯一の例外として、今のところは土日8戦中の7レースを制覇。今回はスタート直後に弟アレックス・マルケス(BK8 Racing MotoGP)と接触してリアウィングの羽根が一部もげるアクシデントもありましたが、この程度の損傷ならば操作性に大きな影響はないのか、あるいはこの人だから影響がないように見えてしまうのか。いずれにせよ、たとえていえば高校生の体育大会に桐生祥秀が混じって本気で走っているような状況ですから、飛車角落ちではないけれども、今後のレースはフロントやリアのエアロパーツを数枚もいだ状態で走ってもらってちょうどくらいなのかもしれません。
参考までに、今年マルケスが勝ったスプリントと決勝レースの2位との差をみてみると、開幕戦タイGP(SPR:+1.185、決勝:+1.732)、第2戦アルゼンチンGP(SPR:+0.903、決勝:+1.362)、第3戦アメリカズGP(SPR:+0.795、決勝:――)、第4戦カタールGP(SPR:+1.577、決勝:1.800)、という差になっています(※カタールGP決勝は、2着ゴール選手とのタイム差)。ここから何を読み解けるのか……というよりも、ただ見たとおりの身も蓋もない数字で、他の選手たちはまったく歯が立たず勝負になっていない、ということですね。今後は状況次第で多少は競る展開になることもあるのかもしれませんが、基本的にはこんなふうにしてワンサイドゲームのレースが推移してゆくのでしょう。誰が勝つかというよりも、どんなふうに勝つか、ということに興趣が移ってゆくのは時間の問題かもしれません(すでに移っているかもしれませんね)。