ヘレスがスペシャルである理由
コンチネンタルサーカス、とかつて言われていた時代は遙かに遠く、現代のMotoGPは良くも悪くもシステマチックに統合されたスポーツビジネスイベントとなっています。それでも欧州で行われるレースはいずれも、往年の雰囲気をいまも色濃く残しています。なかでも、ヨーロッパラウンドの端緒となるヘレス・デ・ラ・フロンテラのスペインGPは、ヘレスの街全体が「これぞグランプリ」という、熱にうかされたような独特の盛り上がりを見せるという点で、やはり随一のサーキットといっていいでしょう。

最終セクションの右右右と続く14コーナーアウト側の観客席
ヘレスでスペインGPが開催されるようになったのは1987年からで、それ以前のスペインGPはマドリー郊外のハラマで行われていました(げんみつには、88年もハラマ開催ですが)。その当時から現在に至るまでずっと、スペインGPは日本のゴールデンウィークに相当する時期に開催されています。ヘレスを初めて訪問した日本人は、海外観戦のファンや参戦まもない選手やチームスタッフ、メディア関係者にかかわらず皆が一様に、来場者数の多さと熱狂的な盛り上がりに驚き圧倒されるといいます。開幕から数戦はフライアウェイのレースが続き、グランプリ独特の華やかな雰囲気はそれらでもある程度感じ取ることができるものの、やはり出張シリーズなのでパドックの雰囲気はレースの本場ヨーロッパの盛り上がりとはだいぶ異なります。[とまあ、こんな駄文ばかりを書き連ねているニューズレターですが、サポートをいただけるのであれば下のボタンより月額有料メンバー登録のご検討をいただければ幸甚です。皆さまからのワンコイン(500円)のご支援が、さらなる駄文の励みになります]