第3戦のスタート進行について考察してみた
レースをご覧になっていた方ならおわかりのとおり、大騒ぎの引き金を引いたのはマルク・マルケス(Ducati Lenovo Team)。レーススタート前のグリッドでは、大半のバイクが前後ウェットタイヤを装着していた。いましもウォームアップラップに出ようかというタイミングで、ポールポジションのM・マルケスがいきなりグリッドを離れてピットへ駆け戻り、前後スリックのマシンに乗り換える判断をした。これ後を追ってチームメイトのペコ・バニャイアや2番グリッドのアレックス・マルケス(BK8 Gresini Racing MotoGP)などが駆けもどり、ピットレーンとグリッドが突然わちゃわちゃの混乱状態となって、スタート進行は赤旗中断、あらためてクイックプロシージャでレースがスタートすることになった。この混乱の模様は公式サイトでもレース全篇のアーカイブから確認できるので、興味がある方は是非チェックをしてみてほしい。
まずは確認のため、ピットレーンへ駆け戻ってバイクを交換した選手を列記しておこう。M・マルケス、F・ディ・ジャンアントニオ(Pertamina Enduro VR46 Racing Team)、A・マルケス、P・アコスタ(Red Bull KTM Factory Racing)、F・モルビデッリ(Pertamina Enduro VR46 Racing Team)、F・バニャイア、J・ミル(Honda HRC Castrol)、J・ミラー(Prima Pramac Yamaha MotoGP)、M・ビニャーレス(Red Bull KTM Tech3)、F・アルデゲル(BK8 Gresini Racing MotoGP)の合計10名。それ以外の12選手はグリッドについたままでスタートを迎えようとしていた。
これら12選手のうち、前後ともにスリックを装着していたのは、B・ビンダー(Red Bull KTM Factory Racing/16th grid)、E・バスティアニーニ(Red Bull KTM Tech3/17th grid)、小椋藍(Trackhouse MotoGP Team/18th grid)の3名のみ。あとの9選手は、全員が前後ウェットを履いて決勝を迎えようとしていた。ただし、この混乱の最中に、いったんピットへ戻りかけたビニャーレスは、心境の変化か再度スタート位置に駆け戻ってチームスタッフに大きく手招きし、彼のクルーがピットレーンゲートからマシンをグリッド上へ戻そうとする動きも見えた。ここで赤旗が提示されてスタート進行が中断、クイックプロシージャで改めて仕切り直しになった。