2025年第3戦と2018年第2戦のスタート進行の違い
2018年のアルゼンチンGPはシーズン第2戦、4月8日に決勝レースが行われました。現地は朝から曇り空で、前夜に降った雨の影響のため、早朝にサーキットへ向かう道もしっぽりと濡れて、どうにもすっきりしない天気だったように記憶しています。MotoGPクラスの決勝では、スタート進行でジャック・ミラー以外の全員がマシン交換のためにピットへ戻るという前代未聞の出来事が発生し、先日のアメリカズGPスタート前の混乱に似た状況が現出されました。しかもこのときのアルゼンチンは、スタート前の大混乱が伏線になって、レース中には猛烈に追い上げるマルク・マルケスがバレンティーノ・ロッシに接触する出来事が発生。レース後には、このレーシングインシデントを巡る両選手の発言でさらにふたりの角逐が深くなる……という、とんでもない一日でした。この一連の出来事のすべてを説明すると非常に長くなるので、このときミスターバイクに寄稿した原稿を以下にまるごと再掲しておきます。このときの『MotoGPはいらんかね』第134回につけたタイトルは"21st Century Schizoid Man (Including Mirrors)"。キング・クリムゾンの名曲「21世紀の精神異常者」の原題をまるごといただいたのですが、記事をお読みいただければその理由もおわかりいただけると思います。では、引用スタート(↓↓↓ここから↓↓↓)。
-------------------------------------------
今まで見たこともないようなレースだった。けっして良い意味で言うのではない。第2戦アルゼンチンGPの決勝で発生した出来事は、いずれも選手や関係者の浅慮や判断の誤りに少なくとも遠因するものだった、と結論づけてよいように思える。