Long Distance Runaround

今週末は第2戦アルゼンチンGPが開催されます。戦いの舞台となるテルマス・デ・リオ・オンドは、ご想像のとおり非常に遠い場所にあります。では、それがじっさいにはどれくらい遠いのか(気が遠くなるくらい……)、というのが今日のおはなしです。
西村章 2025.03.10
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 日本から見てアルゼンチンは地球のちょうど反対側にある。これは誰しも知っていることですね。では日本から飛行機で現地へ行く場合、どれくらい時間と費用がかかるものでしょうか。実際に移動する当事者の感覚から言えば、「計算して数字を意識すると余計にしんどく感じるので、頭を空っぽにして何も考えずただひたすら移動し続ける」というのがベストの戦略と考えて、そのように行動してきました(費用については最後に述べます)。

 日本から遠く離れた場所でGPが開催されると、現地で合流した欧州の取材仲間に「日本からだと遠いだろー。何時間くらいかかる?」と訊ねられるのはお約束みたいなものなのですが、そのたびに上記のように答えてきました。遠い場所での開催というと思い出すのは、たとえば南ア。もう20年以上も前のことなので記憶は曖昧な部分もあるのですが、たしかシンガポール航空で移動していたように思います。成田/SIN/JNBという旅程です。シンガポールでのトランジット時間がえっらい長くて、半日くらいあったんじゃないでしょうか。シンガポールを真夜中に離陸して10時間くらい飛んでヨハネスブルクに早朝着、というスケジュールだったように思います。そういえばヨハネスブルクの空港に着くと、日本人高齢者の方々のパックツアーを見かけて、こんなところにまで観光に来るのかと内心驚いた記憶があります。あと、2000年代前半にもかかわらず現地ではスコーピオンズの"Wind of Change"がなぜか流行っていたようで、やたらあちこちで流れていました。あれはなんだったんでしょうか。

 この当時の日本では、南アの通貨(ランド)を取り扱ってる銀行両替所(空港とか繁華街にあるヤツね)はなかったので、現地空港に到着してから両替をすることになるのですが、公式通貨レートよりも闇レートの方が安いということで、空港ロビーにたむろしてる売人と交渉してランドを入手する、なんてことをしていたような気がします。

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