アメリカ合衆国のレースあれこれ
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)での初開催は2013年――12年前です。え、もうそんなになるの、というのが正直な印象ですが、それだけ自分が歳をとったということなのでしょうね。現在二十歳代のレースファンからすれば、アメリカのレースといえばCOTAなのは当たり前で、だいぶ前からここでレースが行われている、という認識でしょう。その12年ほど前の一時期は、ラグナセカ(カリフォルニア州)、インディアナポリス(インディアナ州)、COTA(テキサス州)と3箇所で開催したシーズンもありました。
ラグナセカはヨーロッパのサーキットとは一風異なる、ご存じのとおり昔ながらの手作り感が強い独特なコースで、ターン8から左右左と切り返して急坂を下るコークスクリューは他に類を見ない唯一無二の迫力でした。会場全体の雰囲気も、コースサイドに停めたでかいキャンパーの屋根に差した星条旗が高い青空の下でへんぽんと翻っていたり、物販サイトは移動遊園地のようなというかカウンティフェアのようなというか、とにかく賑々しくも懐かしい、いかにもアメリカっぽい明るさに充ちた週末でした。ラグナのU.S.GPはMotoGPクラスのみの開催で、AMA(現MotoAmerica)が併催されていたことも、この突き抜けた明るい雰囲気に寄与していたのでしょうね。
2005年はニッキー・ヘイデンが独走勝利、2年目も余裕綽々のレース運びで圧勝。2007年はケーシー・ストーナーが勝利を収め、翌08年にストーナーvsロッシのあの有名なオーバーテイクが発生します。そしてそのコークスクリューの同じ場所で、2013年に最高峰昇格初年度のM・マルケスがロッシに対してまったく同じ形で勝負を仕掛けて優勝。これがラグナで開催された最後のレースになりました。